大会長挨拶

日本アンチエイジング歯科学会 第18回学術大会
大会長 中根 敏盛(なかね歯科)

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この度日本アンチエイジング歯科学会第18回学術大会大会長を拝命いたしました中根敏盛です。新型コロナウイルス感染症による世界的流行によるリセッション(景気後退)、ロシアによるウクライナ侵攻、急激な円安による日本経済への悪影響など近年多くの人々に甚大な影響をもたらしており、歯科業界においても器材、材料や燃料光熱費などコスト上昇により医院経営に影を落としています。この危機の深刻さ、さらにはいつまで危機が続くかについて非常に大きな不透明感に直面している現在ではありますが、アンチエイジング歯科学会においては楽しく開催出来ればと思っております。

さて第18回学術大会は令和6年(2024年)8月31日(土)・9月1日(日)の2日間、ウインクあいち(愛知県産業労働センター)にて開催致します。現在「リニア中央新幹線」開業に向けて名古屋駅周辺では再開発が進んでおります。学術大会の会場であるウインクあいちは名古屋駅の新幹線口からわずか徒歩5分の距離に位置し、周りには様々な商業施設が集まっている好立地にあります。暑い季節での開催となりますが、学問の情熱と共に名古屋の熱気あふれる街も一緒に楽しんでいただければと考えております。

一般的にアンチエイジングと聞くと「抗加齢」を意味する言葉と捉えられ、加齢をストップさせるかのような意味合いを持つ言葉との誤解を持ちます。エイジングとは、年を取ること・老化のことを意味する英語表現でありますが、「熟成」させると言うポジティブな意味もあります。ワインは熟成の仕方が素晴らしいと、味や香りが引き立つようになります。それには保管する環境が大切になると思いますが、人間も同様で適切なエイジングが健康を維持・増進させ、人としての美しさを醸し出してくれると思います。そのことを踏まえて本学術大会のテーマは、年齢による制約を乗り越え、ポジティブなエネルギーを持って健康的な生活を送る意味合いを込めて「プラス0エイジング ~サステナブルな医療を目指して~」といたしました。

将来の医療業界の課題として政府の「人生100年時代構想」に代表されるように、平均寿命が延びる中での少子高齢化現象の進展があります。このままでは労働力人口(生産年齢人口)が減り、労働生産性の低下が回避できなくなるでしょう。また、高齢者の医療費削減や介護費用の抑制のためには、「健康寿命」を伸ばす必要もあり、また少子高齢化によって今まで以上に医療ニーズが高まり、その医療需要が高まる中医療従事者の不足は深刻化していくと思われます。そのような将来を見据えて医療の提供をいかに効果的且つ効率的に行えるかについても発信できればと思っております。

各分野の第一線で活躍されている方々を講師としてお招きし、ご参加くださる先生方に楽しんで勉強して頂けるよう企画してまいりますので、お力添えの程よろしくお願い申し上げます。名古屋の地にて皆様と笑顔で再会できること、心よりお待ちしております。

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